中国輸入ビジネスで最も重要なスキルは利益計算です。仕入れ前に正確な利益額を把握できれば、赤字商品を仕入れるリスクをゼロにできます。
この記事では、Amazon FBAで販売する前提で、すべてのコストを網羅した利益計算テンプレートを公開します。
利益計算の全体像
中国輸入 → Amazon FBA販売の利益は、以下の式で計算します。
利益 = 販売価格 - (仕入原価 + 国際送料 + 関税・消費税 + FBA手数料 + Amazon販売手数料 + 広告費)
一つずつ解説していきます。
コスト項目の詳細
1. 仕入原価
1688.comでの商品代金に、代行業者の手数料を加えた金額です。
計算式: 仕入原価 = 商品単価(元) × 為替レート × (1 + 代行手数料率)
例:
- 商品単価: 15元
- 為替レート: 1元 = 22円
- 代行手数料: 7%
- 仕入原価 = 15 × 22 × 1.07 = 353円
2. 国際送料
中国から日本への配送費用です。配送方法と重量・体積で変わります。
目安(航空便の場合):
| 重量 | 1kgあたりの送料 |
|---|---|
| 〜5kg | 80〜120円/個(小物の場合) |
| 5〜30kg | 40〜80元/kg |
| 30kg〜 | 30〜50元/kg |
ポイント: 軽量商品ほど1個あたりの送料は安くなります。1個あたりの送料を正確に出すには「総送料 ÷ 総個数」で計算します。
3. 関税・消費税
商業輸入の場合の計算式です。
関税 = 課税価格 × 関税率 消費税 = (課税価格 + 関税) × 10%
課税価格 = 商品代金 + 国際送料 + 保険料
1個あたりの計算例:
- 課税価格: 353円 + 80円 = 433円
- 関税(3.9%): 17円
- 消費税(10%): 45円
- 1個あたりの税金: 62円
4. Amazon FBA手数料
FBA手数料は「配送代行手数料」と「在庫保管手数料」の2つがあります。
配送代行手数料(2026年版の目安):
| 商品サイズ区分 | 手数料 |
|---|---|
| 小型(25×18×2cm以下、250g以下) | 288円 |
| 標準1(35×30×3.3cm以下、1kg以下) | 318円 |
| 標準2(同上サイズ、2kg以下) | 434円 |
| 大型 | 589円〜 |
在庫保管手数料:
- 1〜9月: 5.676円/(10cm × 10cm × 10cm)/日
- 10〜12月: 9.170円/(10cm × 10cm × 10cm)/日
小型・軽量商品なら月間30〜50円程度です。
5. Amazon販売手数料
カテゴリによって異なりますが、ほとんどのカテゴリで**販売価格の8〜15%**です。
| カテゴリ | 販売手数料率 |
|---|---|
| 家電・カメラ | 8% |
| パソコン周辺機器 | 8% |
| ホーム・キッチン | 15% |
| スポーツ・アウトドア | 10% |
| ペット用品 | 15% |
| おもちゃ | 10% |
6. 広告費
Amazon広告(スポンサープロダクト)の費用です。商品や競争環境によって変わりますが、**販売価格の10〜20%**が目安です。
ただし、レビューが増えてオーガニック検索での露出が増えれば、広告費は徐々に下げられます。
利益計算テンプレート
以下のテンプレートに数字を当てはめて計算してみましょう。
テンプレート
| 項目 | 計算方法 | 金額 |
|---|---|---|
| A. 販売価格 | Amazon上の販売価格 | ___円 |
| B. 仕入原価 | 商品単価 × 為替レート × (1+代行手数料率) | ___円 |
| C. 国際送料(1個あたり) | 総送料 ÷ 総個数 | ___円 |
| D. 関税・消費税(1個あたり) | (B+C) × 関税率 + (B+C+関税) × 10% | ___円 |
| E. FBA配送代行手数料 | サイズ区分に応じた金額 | ___円 |
| F. Amazon販売手数料 | A × カテゴリ手数料率 | ___円 |
| G. 広告費 | A × 広告比率(10〜20%) | ___円 |
| H. 総コスト | B + C + D + E + F + G | ___円 |
| I. 利益 | A - H | ___円 |
| J. 利益率 | I ÷ A × 100 | ___% |
計算例: シリコン製キッチンツール
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| A. 販売価格 | 1,480円 |
| B. 仕入原価(15元 × 22円 × 1.07) | 353円 |
| C. 国際送料(1個あたり) | 80円 |
| D. 関税・消費税 | 62円 |
| E. FBA配送代行手数料 | 288円 |
| F. Amazon販売手数料(15%) | 222円 |
| G. 広告費(15%) | 222円 |
| H. 総コスト | 1,227円 |
| I. 利益 | 253円 |
| J. 利益率 | 17.1% |
この例では利益率17%で、目標の25%に届いていません。対策として以下が考えられます。
改善策:
- 販売価格を1,780円に上げる → 利益率24%
- 仕入れロットを増やして単価を下げる(10元 → 仕入原価236円) → 利益率25%
- 広告費を10%に最適化 → 利益率21%
- 上記を組み合わせる → 利益率30%以上を狙える
利益率を上げるための戦略
戦略1: 仕入原価を下げる
- 複数業者への相見積もり
- ロット数を増やして単価交渉
- 1688.comの工場直販を優先
戦略2: 送料を最適化する
- 軽量商品を選ぶ(1個あたりの送料を下げる)
- まとめて発送して1個あたりの送料を圧縮
- 船便と航空便を使い分ける
戦略3: 販売価格を上げる
- 商品ページのクオリティを上げる(画像・説明文)
- レビューを増やしてブランド価値を構築
- 付加価値(セット販売、ギフト包装など)
戦略4: 広告効率を改善する
- キーワードを精査してACoS(広告売上比率)を下げる
- オーガニック検索の比率を高める
- レビュー獲得に投資して広告依存度を下げる
損益分岐点の計算
何個売れば元が取れるか? を知るのも重要です。
損益分岐点の計算式:
損益分岐点(個数) = 固定費 ÷ 1個あたりの利益
例:
- 初回仕入れ(100個)の総コスト: 50,000円
- 1個あたりの利益: 253円
- 損益分岐点 = 50,000 ÷ 253 = 約198個
この場合、198個売れば投資を回収できます。100個仕入れで1回目は赤字ですが、2回目の仕入れからは利益が出る計算です。
見落としがちな隠れコスト
利益計算で忘れがちなコストも把握しておきましょう。
- 返品・返金率 — カテゴリによるが平均3〜5%。利益から差し引いて計算
- 長期在庫保管手数料 — 271日以上FBA倉庫に保管すると追加料金
- 商品撮影・画像作成 — 初回のみだが1商品あたり3,000〜10,000円
- 月額大口出品料 — 4,900円/月。商品数で割って1商品あたりのコストを算出
- ツール代 — Keepa、セラースプライト等のリサーチツール月額2,000〜5,000円
スプレッドシートでの管理
Excelやスプレッドシートで利益管理表を作ることをおすすめします。
管理すべき項目:
- 商品名・ASIN
- 仕入原価(日本円換算)
- 各種手数料
- 販売価格
- 日別/月別の販売個数
- 利益額・利益率
- 在庫回転率
月次で振り返り、利益率25%以下の商品は改善策を検討するか、撤退を判断しましょう。
まとめ
中国輸入の利益計算は複雑に見えますが、テンプレートに当てはめれば仕入れ前に正確な利益が分かります。
チェックリスト:
- 仕入原価(商品代金 + 代行手数料)を算出
- 国際送料を1個あたりに換算
- 関税・消費税を加算
- FBA手数料と販売手数料を確認
- 広告費を見込む
- 利益率25%以上を確保してから仕入れ
このテンプレートを使って、赤字リスクのない確実な仕入れを行いましょう。